お疲れ様です!今回は浴室のFRP防水改修を行ったので紹介します。
FRP防水とは…F (Fiberglass=ガラス繊維) R (Reinforced=補強・強化) P (Plastic=プラスチック)の略称で、わかりやすく言ってしまうと「強化プラスチック」を使った防水層です。
これが非常に強度も高く軽いため、とても優秀な防水工法となっております。
今回は浴室です…


このようなタイルは防水層との相性が悪いため樹脂モルタルにて絶縁&下地処理を施します。


ココから本工程に入ります、プライマーを塗布しガラス繊維を織り込んだマットを貼り付けていきます。
貼り付けに使うのは二液性のポリエステル樹脂です、ここで強化プラスチックの防水層を形成します。
出隅や入隅、ドレン周りなどの弱点には予め補強貼りをしています。

ここで大事なのが「脱泡」です、これがFRP防水において一番大事な工程です!
樹脂にてガラスマットを貼り付けるのですが、その際に入った気泡を「脱泡ローラー」という道具で抜いていきます。
エアーが残ってしまった部分は十分な強度が出ず後の不具合の原因となります…念入りにコロコロします!

樹脂が独特な臭いを出すのですが…室内ということもあり有機溶剤中毒の可能性が高まります。
換気は絶対です!
これにてガラスマットの貼り付けが完了しました!


仕上げに色付きの上塗り材を塗って完了となります。
色は数色ありますので好みの色を選べます、今回はアイボリーです。

これにて施工完了です、アイボリーが明るくていいですね!

このFRP防水材、ホームセンターなどでも手に入る割と身近なものなのですが、実はとても危険な点もあり扱いには注意が必要です。
ポリエステル樹脂に硬化剤を入れて使用するのですが、その際に化学反応を起こして熱を発します、樹脂の硬化にはこの熱反応が重要なのでそれは問題ないのですが…
バケツなどで大量に材料を作り、余ったものをそのうち固まるだろうと放置しておくとえらいことになります。
硬化を始めた材料はどんどん熱を蓄え、バケツも触れないほど熱くなります、そのまま放置すれば発火することも…。
もちろん余った材料の上に水を張っておくなど対策をすれば問題ないのですが、知らないと怖いことになるので十分に気を付けなければなりません。
余談ですが、FRPは船体や公園のベンチを作る材料にも使われています。
公園の古いベンチに座ったら腿やふくらはぎがチクチクした。なんて経験がある人もいるかもしれませんが、それは劣化し露出したベンチのガラス繊維が皮膚を傷つけていたり
毛穴に刺さってしまっているのが原因です。
ガムテープでぺたぺたしたり、湯船にゆっくり使ってあげると良くなったりしますのでお試しください。
これが施工する身にはもろに刺さります…すごくチクチクします…。
しかし私共は気合が入っているのでご心配なく!(防水屋は特別な訓練を受けています)
長くなりましたが今回はFRP防水の紹介でした、それではご安全に!